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流石に翔くんを独り占めでガイドをしてもらう訳にはいかず
翔くんに観光のポイントを聞いて風ちゃんとふたりで中を見学した

始めに鳳凰堂内部の見学
こちらはちゃんと施設の方が一緒に歩いて
わかりやすい解説つき

次にミュージアム『鳳凰館』
こちらは国宝も展示されている博物館

中学生時代、修学旅行で京都を訪れた時はそれ程感動もなかったんだけど

年をとったせいなのか
仏像を見ているだけで
歴史を感じ、時の重みを感じ
それだけで感動してしまう

「はぁ…凄いなぁ…」

なんでこんなにも神々しく見えるんだろう…
仏像を取り巻く空気さえも清く澄んだものに感じてしまう

「ほんと好きなんですね、仏像…」

「ん、仏像だけじゃなく建造物もだけど
凄く繊細に造られてるじゃない？
建物なんて釘を使ってなかったり…
こんな技術が千年以上も前からあるなんてさ
不思議で神秘的なんだよねぇ…」

「そういうもんですか…
俺にはまだ良くわからないっす」

「こういうのって好みもあるからね
みんながみんな、仏像とかに興味がある訳じゃないでしょ？
それに僕も若い時は全然良さがわからなかったよ？」

「じゃあ俺はまだ若いってことですかね？」

「ふふっ…かもね？
京都ツアーじゃなくて
もっと違うツアー選べば良かったんじゃない？」

「だって櫻井さんが…」

「翔くんが？」

「あっ…いえ、なんでもないっす」

慌てたように首を横に振る風ちゃん

もしかしてツアーを決めるのに翔くんも絡んでる？
風ちゃんがひとりで決めて申し込んだと思ってたけど
そうじゃないのかな？