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take a breather

第3章 このままもっと

「お待たせ」

風呂から上がって智くんに声を掛けると、智くんがソファーから立ち上がった。

「んじゃ、寝っか」

「ん…」

智くんの後ろについて行く。
ベッドの前に立つと智くんがベッドの上をじっと見た。

「なに?どうかした?」

「翔くんの枕、ここ何日か置きっぱなしだなと思って」

「あ…」

初日は起きるときにちゃんと自分の部屋に持って帰った。
でも二日目以降は置きっぱなしにしちゃってた。
だってその日も智くんの所で寝るつもりでいたし…
イチイチ片付けなくてもいいか、って思って。

「もしかしてさ、迷惑? 
俺がここで寝るの」

智くんが何も言わないからお邪魔し続けちゃったけど。

「いや、全然…」

ベッドに上がり、俺の方を見てフニャッと笑った。
この笑顔が出たってことは本当に問題ないってことだな。

「迷惑な時は言ってね?
無理なお願いしたくないから」

智くんの隣に横になると、智くんが布団を掛けてくれた。

「全然迷惑なんかじゃないって。
ごめん、俺が変なこと言ったから」

「智くんが謝ることじゃないよ。
もとはといえば俺が智くんに甘えてるのが悪いんだから」

「ははっ、翔くんを甘やかすのは俺の趣味だから気にすんな」

「え?趣味なの?俺を甘やかすことが?」

「そう。昔っからの俺の趣味」

智くんが優しい微笑みを浮かべる。

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