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take a breather

第10章 Lotus

「智くんはそんなことないでしょ?
結構グイグイ来てるじゃん」

「翔ちゃんに対してはね」

智くんが苦笑いした
はじめて見る表情だ

「俺は翔ちゃんと反対…
人の目とかどうでもよくて
嫌だと思っちゃうと無視とまではいかないけど、話聞けないんだよね
耳と心に入って来ないの
めんどくさいなぁ、って…
その反面 興味がある人だとグイグイいっちゃう…極端なんだよ」

「そうなんだ…」

「だからね 翔ちゃんにはグイグイいくの
俺、あの写真見た時から翔ちゃんに興味があんだ…
勿体無いなぁ、って…笑ったら絶対可愛いのに、ってずっと思ってた」

「可愛い?俺が?」

「うん、可愛い…
大きな目も…ふっくらとした唇も…
スゲェ整った顔立ちしてる
で、想像してたんだよね…翔ちゃんの笑ってる顔」

「想像って…」

「あ…俺、キモいこと言ってる?
だから引かれちゃうんだよね…
俺 思ったこと口にしちゃうから『理解出来ない』って言われること よくあんだ…
それも人付き合いが苦手な原因の一つだな」

「キモいと言うか…恥ずかしいかも…
人にそんな事言われたことないから」

でも智くんだからなのかな?
他の人に言われたら『何言ってんだ、こいつ』って思うかも…

この前会った時から
智くんの力の抜けた感じの喋りが俺には心地いい

智くんの話すことは考えてしゃべってるんじゃなくて
本心がそのままコトバや表情、そして態度に出てる

でもその本心が俺にとっては嫌なモノじゃないから素直に受け止めちゃえるんだ

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