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take a breather

第27章 Turning Up

翔くんが、ぎこちなく僕を抱きしめる

恋愛初心者だもんね
初々しくて、キュンキュンしちゃうよ

「ありがとうございます」

お礼を言われた
お礼を言いたいのは、こっちなのに…

「僕の方こそ、ありがとう」

「智さん?」

翔くんが少し体を離し、僕の顔を見る

「こんなにドキドキする恋愛、初めてだよ…
だからありがとう
僕を好きになってくれて」

優しく微笑んだ翔くんの手が、僕の頬に触れる

「智さん、また紅葉みたいになってる」

「だって…ドキドキしてるから…
僕ね、初めてなんだ…
好きな人に『好き』って言って貰えたの」

翔くんが少し目を見開いた後、フッと表情を緩めた

「俺も、ドキドキしてる…
智さんが俺のこと『好きな人』って言ってくれたから」

「あ…」

そっか…僕、まだちゃんと翔くんに気持ち伝えてないよね

「智さんも、俺のこと好きでいてくれたの?」

「うん。あのお店で初めて会った時に『良い人だな』って思って
知れば知るほど好きになった」

「俺も同じ…
初めて会った時に『素敵な人だな』って思って
『この人なら、本当に信じられる』って…
会う度に惹かれていった」

翔くんにそんな風に思って貰えてたなんて、気付かなかったよ

ニノ。僕、人生で一番しあわせな誕生日迎えられちゃった

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