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take a breather

第27章 Turning Up

店からの帰り道

「ふふっ、随分お楽しみだったじゃん
翔くんって、智の好みのタイプだろ?」

「お楽しみだったのはニノの方でしょ?
潤くんとずっと楽しそうに話してたくせに」

「そりゃあね、あれだけのイケメンにチヤホヤされれば、悪い気はしないって」

僕は嫌だけどね、ギラギライケメンにチヤホヤされるのは

それに比べて翔くんは純朴で可愛いし、笑顔が爽やか

話をしているだけで、胸がキュンキュンしちゃう

「電話番号教えてたでしょ?
珍しいね、智が最初からグイクイいくの
無理にでも連れて来た甲斐があったよ」

「あれはっ、習字を教えてあげる約束したから、連絡先を教えただけ
別に下心があって教えた訳じゃないからっ」

「ふ〜ん、そう?
でも智的には『アリ』なんでしょ?」

めちゃくちゃ『アリ』だよ

でも今の翔くんには僕の想いを告げても悩ませるだけだと思う

翔くんはノーマル…
だって、今まで誰にも恋愛感情を抱いた事がないって言ってた

女の子がダメで、男の人に走ったのなら、誰かしら好きになってる筈だもんね

女性に対して恐怖心を持っている翔くんが
僕が告白をして、男に対して嫌悪感を持ってしまったら…

翔くんは気兼ねなく、誰とも話す事が出来なくなってしまうかもしれない

万が一にでも、そんな目に合わせられないでしょ?

翔くんの事が好きなら、尚のこと…

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