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take a breather

第21章 Be with you

「大野、どうかした?」

声に振り向けば、タオルで首筋に流れる汗を拭いている櫻井さん

「あ、いえ…相葉さん、今日も相当しごかれてたなぁ、って…」

「あぁ…ほんと頑張ってるよなぁ、雅紀…
小学生の時から一緒だけど
あんなに真面目に練習取り組んでる姿、初めて見るよ
二宮のおかげだな」

「ですかね」

まぁ、ニノのおかげには間違いないな…

あの二重人格と言っても過言じゃないくらいの飴と鞭

それに見事に嵌ってしまった相葉さん

抜群の相性だよ…

「大野も大変だろ?俺とのペア」

確かにね、ニノに影響を受けたのか
櫻井さんの要求は日増しにハードになっていく

それでも俺がそれに応えるから
櫻井さんも色々と学んで、更に上の要求を出してくる

ただニノとの違いは優しさ?

櫻井さんの頼み方は、俺に『NO』を言わせない

「あのさ、大野…
ここんとこ、こうすると良くなると思うんだけど
どう?出来そう?」

学んだ事をノートに書き出し、それを俺に見せて説明する

そのノートを見れば、櫻井さんがいかに勉強してるかわかるし

あの大きくて可愛い瞳で見つめられ
遠慮気味にそう問われれば
『出来ない』なんて、口が裂けても言えない

それに元々、俺は櫻井さんを勝たせる為にペアを組んだんだ

櫻井さんの手足になって動こうと決めているのに
当人から言われたことをこなせないようでは、話にならない

だから…

「もちろん、出来ますよ?」

笑顔でこう答えることしか出来ないんだ

そして、そう答えると
櫻井さんはホッとしたように笑顔を見せる

「よかった…じゃあ、よろしく頼むな?大野」

この笑顔が見たいが為に頑張れるんだよなぁ…俺

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