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take a breather

第20章 I seek

風呂の準備をしに風呂場へ
その前に寝室に寄って、例の紙袋を置いて来た

リビングに戻って飲み食いした物を片付ける

「んじゃ、ここ片しちゃうな」

「俺も手伝うよ」

洗い物するのも翔くんと一緒
俺が洗った皿を翔くんが拭きあげる

なんだか不思議だ…

全くのプライベート空間で、家庭的な作業を翔くんとふたりでこなす
たったそれだけの事なのにメチャ楽しい

『the 恋人』って感じだよな

もしかして、翔くんが料理をするのを見ていたいと言ったのは、同じ理由だったのかな…

翔くん自身は料理が出来ないけど
一緒にキッチンに立つことによって、恋人関係を味わいたかったとか?

隣に立つ翔くんにチラッと見ると
それに気付いた翔くんがこっちを見て
微笑みながら『ん?』って首を傾げる…

その仕草が可愛くて
すぐに抱きしめたくなったけど
手が泡だらけだから、今は我慢…

「早く終わらせて、風呂入ろうな?」

ハニカミながら『うん』と小さく頷く翔くんを見て
胸がキュンとした

う〜ん…早く終わらせよ

スピードアップして皿を洗い
拭き上げた食器を片付ける

「終わったぁ。さ、風呂入ろっか」

「うん」

翔くんの手を引いて風呂場に向かう

服を脱ぎ始める俺に対し、動かない翔くん

「今日も脱がせてあげよっか?」

「えっ?ううんっ、大丈夫っ
ほら、ふたり同時に脱ぐと手がぶつかりそうだから…」

「ふふっ、そっか…なら、先に入ってるな?」

翔くんはコクコクと頷いた

翔くんが入ってくるまでにシャワーの温度調整

ガラッとドアが開き、翔くんが入ってきた

「体、洗ってあげる」

「今日は自分で洗えるけど?」

「俺が洗いたいの」

スポンジの用意をして翔くんが座るのを待つと
翔くんは素直に椅子に座ってくれた

「…じゃあお願いします」

ちょっと恥ずかしそうだけど
満更でも無さそう

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