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take a breather

第20章 I seek

イッた時に離れてしまった唇

ふたり見つめ合えば自然と体が動き
もう一度キスを交わす

何度かお互いの唇を食むようにキスをして
ようやく俺たちは落ち着いた

次にやって来たのは静寂で

どちらとも『何から話せばいいのやら』って感じだな

ひとまず、ここから出て
ちゃんと話し合う必要がありそうだ

当初の予定通り
俺の気持ちも伝えたいし、翔くんの気持ちも知りたい

シャワーでふたりの体を綺麗に洗い流している間も、大人しくしている翔くん

「出よっか」

そう言うと、翔くんは小さくコクンと頷いた

バスタオルで翔くんの体を拭き、服を着せる

続いて自分の体を拭き、服を着ている間
翔くんはずっと俺を見ていた

洗濯機に脱いだ全ての衣服とタオルを入れ、スイッチを押す

「行こう」

翔くんに向かって手を出せば、嬉しそうに微笑んでその手を掴む

その微笑みを見れば翔くんの気持ちは何となくわかる

これは翔くんが酔っているからなのか
それとも素面の状態でも俺に好意を寄せてくれているのか…

リビングのソファーにふたり並んで座った

「何か飲む?」

翔くんはふるふると首を横に振る

「そっか…あのさ、翔くん…」

話始めると繋いだままの翔くんの手が、俺の手を強く握った

少し緊張して見える翔くんの表情…
それでも俺としっかり目を合わせてくれている

ほんと、俺たち長い付き合いだね…

本心を隠さずに向き合えば、お互いの気持ちなんて話さずともわかる

でもさ、ちゃんと言葉にして伝えたいから…

「俺、翔くんのこと好きだ」

「…うん、俺も…好き…」

だよね…

ニノたちが俺の気持ちに気付いたように
今の翔くんの瞳を見れば、翔くんの俺への想いは伝わってくる

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