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take a breather

第3章 このままもっと

ふわりと優しい空気が俺を包み込む。
膝立ちの智くんが俺の頭を胸に抱いた。

俺の好きな智くんの甘い薫り…

智くんの右手がトントンと心地よいリズムで背中を叩いてくれる。

もうこれ以上甘えちゃいけないってわかってるのに、俺は智くんの洋服にしがみついた。

「さとっ…く…」

自分で思ってるより本気泣きらしい
声が上手く出せなかった。

「大丈夫だよ?翔くん。
俺は何があっても翔くんから離れないから。
翔くんを泣き止ますことが出来るのは俺だけだろ?」

「でもっ…おれっ…」

智くんのこと好きになっちゃったのに…

ううん、違う…好きになったんじゃなくて好きなことに気がついちゃったのに…

そんな俺が智くんの傍にいるなんて

「翔くんが俺に触れたいと思うなら、いくらでも触れていいんだよ?
いつも言ってるだろ?俺が翔くんを甘やかしたいんだ…
翔くんが望むなら、いくらでも触れてあげる」

智くんは少し体を離すと、右手で俺の頬を包むようにそっと触れた。

智くんを見上げると、俺の大好きなあのふにゃっとした笑顔を見せてくれた。

「翔くん…好きだよ
だから、これからも俺の傍にいて?」

「さ、としくん?」

どういう意味の『好き』?

今までと同じように友達としてってこと?
それとも…

「あ~もう。ほんと焦れったいヤツらだな」

「潤くん…」

潤とニノの方を見ると、ふたりとも笑顔が浮かんでた。

「智はと~っくの昔からお前に惚れてんだよ!
この超鈍感野郎が!」

「えっ…う、そ…」

吃驚して智くんに視線を戻すと、智くんは照れ臭そうに笑った

「…ほんと」

そして、俺の欲しかった答えをくれた。

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