テキストサイズ

Memory of Night

第6章 再会


 晃は小さく息を吐き、宵の腕を放した。


「……悪かったよ。もう、あんなやり方はしない」


 宵とする、金と体の駆け引き。それ自体も決して褒められた行為ではないが、その中で志穂のことを持ち出すのは反則だった。

 反則……というか、あの時のように宵を泣かせてやりたいとは思わなかった。

 再び歩き出す。

 宵は、複雑な気分で晃を見た。

 晃の性格は、普段とそういう行為の時で激しく変わる気がする。

 普段は優等生で優男タイプ(?)なのに。


「晃って……二重人格?」

「ん?」

「普段とエッチしてる時、なんかキャラ変わるじゃんおまえ」

「さぁ。猫かぶってるだけだったりして」


 晃がにっと目を細めて笑う。


(猫かぶってるって感じでもなかったけど……)


 心の内でつぶやいて、それからある疑問を思い出してきいた。


「なぁ。さっきの不良達が狙ってたのは俺なんだろ? なのに、なんで晃が絡まれてたんだ?」

「ああ……それは。うーん、愛だよ」

「……わけわかんねぇって」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ