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Memory of Night

第6章 再会


「そんなん、別にいーよ。バレたらバレたで」

「よくないよ」

「……何が?」

「狙われちゃうよ? 変なヤツらに体」


 晃は寄りかかっていた壁から離れると、路地裏から出ようと歩き出した。

 宵もその後を追う。

 隣に並び、晃に訊いた。


「何だよ? 変なヤツらって」

「さっきの不良みたいなヤツら。アイツら、宵の体を狙ってるみたいだったんだ」


 晃の瞳が、不機嫌そうに細められる。

 それから宵に視線を配り、言った。


「……宵。あまり自分の体を安売りするな。もう少し大事にした方がいい」


 宵が晃を見る。

 本気で心配しているような瞳で見つめられ、とっさに視線をそらしてしまう。

 でもそれを、晃は許さなかった。

 宵の腕を掴み、自分の方を向かせようとする。返事を待つように、強い瞳で見つめられた。


「……そんなこと、おまえにだけは言われたくねーよ。晃だって、俺の体でさんざん遊んでたくせに」

「それは……」


 そこをつかれれば、晃は何も言えない。2回だけとはいえ、宵を買い、自分のモノにして遊んでいたのは事実だ。

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