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Memory of Night

第6章 再会


 晃は宵の話題でイラつき不良達に殴られてしまった。

 だがそんなこと、宵にしてみれば知ったこっちゃない。だいたい、晃の言い分自体ただの責任転嫁だ。


「細かいことはごちゃごちゃ言わない。……舐めてよ?」


 晃が自分の唇を指さして言う。


「たまにはサービスして? フェラまでしてくれたんだから、これぐらい簡単だろ?」


 晃の言葉に、宵が真っ赤になる。もともとあれは晃に強引にやらされた行為なのに。


「もう、相手しなくていいって言ったくせに……」

「うん。言ったけど……」


 一瞬だけ口を閉閉ざし、切なげに瞳を閉じる。


「――できればもう少し、宵を感じていたい」


 驚くほど優しい声で言われ、ドキッとする。

 いつもは自分勝手なことばかり言って人を動かすくせに。

 晃が宵の手を取る。

 手を引くようにして、すぐそばの脇道に引っ張っていった。

 人気(ひとけ)のないところに連れこもうとしているのはわかってるのに、そんなふうに優しい仕草を見せられると、どうしても晃に逆らえなくなってしまう。

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