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『ま゜』

第8章 ドラゴンキングとの戦い

“うむ……三人とも死んでしまったか。まあ、あの屍女が、よけいな攻撃しなければ、勇者も死ななくてすんだんだが、しょうがあるまい”

 ゲームの神は、ゲームオーバーを告げるため、水戸さんと音子の体を引き上げることにした。

“先に、あの狼女から……”

 ドラゴンキングの間から、ゲームの神の部屋に音子を移動させる。

 黒くて、なにもない闇の中に、大きな画面がある。

 そこに立つ、一人の白いシーツを被った、体の小さな老婆。

 こいつが、ゲームの神だ。

 フワッと、音子の体が現れた。

“さて……次はあの屍女だ”

 老婆の目の前には、パソコンのキーボードがあった。老婆は、キーボードを叩こうとする。

 その時だ……

 大きな獣の口が、老婆の首もとを挟む。

“うわぁぁぁ” 

「そうは、いかさない……」

 音子だ。

 まだ、狼人間の姿で、老婆を押さえ込む。

“な……なにをするかぁーー!”

「ここで、このキーボードを使っていろいろやってたのね。なにがゲームの神よ。あんた、なんのつもりがあって、こんなことしてんの?」

“やめろ……きさま……こんなことをしていいと、思ってるのか!”

「それは、こっちのセリフ。いい、まだ、あのドラゴンとの勝負はついてないよ!!」

 音子の尖った爪が、画面を示す。 
 見ると、ドラゴンキングの前に、水戸さんが立っていた。

“なにっ!? あいつ、死んだのではなかったのか?”

「彼女はもとから死んでるから、これ以上、死ぬことなんてないよ!」

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