ぜんぶ俺の物〜ケダモノ弟の危険な独占欲〜
第2章 嘘つき
……でも、仕方なかった。
一人で抱え込むには、その秘密はあまりにも荷が重すぎた。どうしても、亜貴に問わずにはいられなかった。
私は、亜貴にとって何なのかを。
姉なのか、女なのか。家族なのか、部外者なのか。
『俺、姉ちゃんのこと、好きなのかもしれない』
あの夜、胸をよぎったわずかな可能性を、亜貴ははっきりと言葉にして私にぶつけた。
『どうして姉ちゃんなんだろ。俺だって分かんない』
だから私は、亜貴と一緒にその答えを見つけることにしたんだ。
──ぬるり。
過去を辿っていた思考を現実に引き戻したのは、むせ返るほどに甘い、亜貴の唇の感触だった。
「んん……っ」
気づけば背後からのぞき込むようにして、亜貴に唇を塞がれていた。
抵抗しようと振り上げた腕をつかまれ、もう片方の手が、依然として私のからだをまさぐり続ける。
「姉ちゃん、お帰り」
私を奪い続ける唇が、怪しげに言葉を刻む。
私はいま、瑛人さんに愛されたベッドの上で、実の弟に押し倒されている。何とかして逃れなければと両足をばたつかせるのに、どうしてか思うように動いてくれない。
「感じるでしょ。特別に媚薬を調合したオリジナルだから」
その言葉に反応できる余裕ももう残っていなかった。
やられた。そう思ったときは、すでに手遅れだった。
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