
『untitled』
第2章 青春18きっぷ
〈二宮side〉
「…の」
ん?何か声が聞こえた気が……
まぁ、いっか。
敵のライフも残り半分。
今日こそはボスを撃破してやる!
カタカタとリズムよく奏でるキーボードの音が心地いい。
「……にの」
俺を呼んでいる声が遠くから聞こえたけど今は答えている場合じゃない。
ボスも俺の残りライフはあと僅か……
ここで手を止める訳にはいかない。
これでもくらぇっ!
パーンとキーボードを弾くと
画面に表示された【YOU WIN】の文字。
よっしゃぁ、勝った!
「おい、にの!」
「はっ、はいっ!」
後ろから聞こえた怒号に勝利の余韻はかき消された。
「お前……聞いてたか?」
振り返ると仁王立ちで俺を見下ろす櫻井先輩。
「聞いてたよ……な」
語尾に怒りが宿っている。
キラリと光る銀縁メガネから覗く目は俺を鋭く睨み付けている。
「きっ、聞いてましたよ!」
その状況下で俺はこれ以外の返事を思いつかない。
「じゃあ、頼むな」
何を頼まれたかは勿論、わからない。
けど、せっかく戻った櫻井先輩の笑顔をまた鬼の形相に戻すわけにはいかない。
「は……はい」
「皆、新入生の部活説明は二宮に決まりだ!」
「よっしゃぁぁ!」
ガリ勉野郎共の叫び声が響く。
はぁぁぁぁぁぁぁ?
「…の」
ん?何か声が聞こえた気が……
まぁ、いっか。
敵のライフも残り半分。
今日こそはボスを撃破してやる!
カタカタとリズムよく奏でるキーボードの音が心地いい。
「……にの」
俺を呼んでいる声が遠くから聞こえたけど今は答えている場合じゃない。
ボスも俺の残りライフはあと僅か……
ここで手を止める訳にはいかない。
これでもくらぇっ!
パーンとキーボードを弾くと
画面に表示された【YOU WIN】の文字。
よっしゃぁ、勝った!
「おい、にの!」
「はっ、はいっ!」
後ろから聞こえた怒号に勝利の余韻はかき消された。
「お前……聞いてたか?」
振り返ると仁王立ちで俺を見下ろす櫻井先輩。
「聞いてたよ……な」
語尾に怒りが宿っている。
キラリと光る銀縁メガネから覗く目は俺を鋭く睨み付けている。
「きっ、聞いてましたよ!」
その状況下で俺はこれ以外の返事を思いつかない。
「じゃあ、頼むな」
何を頼まれたかは勿論、わからない。
けど、せっかく戻った櫻井先輩の笑顔をまた鬼の形相に戻すわけにはいかない。
「は……はい」
「皆、新入生の部活説明は二宮に決まりだ!」
「よっしゃぁぁ!」
ガリ勉野郎共の叫び声が響く。
はぁぁぁぁぁぁぁ?
