
地味に甘い君
第21章 それぞれの就活
電話を切って――――…
何故か胸がザワザワ…いや――――…ワクワクした。
「この雑誌…買って帰ろう」
僕はその雑誌をレジに鼻唄を歌いながら持っていった。
不思議な感覚だった。
なんか――――…ヤマト君と触れているみたいな…
ヤマト君と出会ったときとの…
ストン…と、墜ちるような…
ハマるような…パズルのピースがはまったような…
ザワザワとワクワクとドキドキの…なんてでたらめな感情だろう…
僕の足は――――…少し早く…
徐々に早く…
駆け出していた。
――――ヤマト君に…会いたい。
会いたい。
会いたいよ――――。
