テキストサイズ

先生の秘密

第3章 ◎VS

「あぁ。"ただの"生徒…」
あははっ…
しょせん、"ただの"生徒なんだね……。
なぜかあたしは胸が痛くなった。あっという間に家の前に着いて、あたしは和樹にお礼を言う。
「アイス、一緒に食うだろ?」
「うん…」
和樹はあたしの手を引いて和樹の家の玄関前の階段に座る。
「結構溶けてるな。ここ、いつもみたいにゆっくり食えねーぞ」
「わ、ほんとだね。どろどろになっちゃう」
あたしが笑い返すと和樹も優しく笑ってくれた。
それだけで何だか安心できた。
さっきのことは忘れよう。
きっと和樹もあえて口にしないんだよね。
あたしには関係ないもん……
「ん、」
和樹は食べていたカップのアイスをあたしに差し出す。
「やったぁ♪和樹、ありがとう!」
和樹はあたしが迷ってたから、これを選んでくれたんだよね。
本当よく見てくれてる。
ありがとう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ