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先生の秘密

第2章 ◎危険な夏休み

「…あっ!」
「野崎!やったじゃん!お前ちゃんと1人で立ってるよ!水ん中立ってるよ!」
あたしは嬉しくて、つい目頭が熱くなってしまった。
「やったぁ…うれし…」
水で紛わしてこっそり涙をこぼしていると、先生があたしの頭に手を置いた。
「がんばったな。えらいよ野崎」
そう言って頭をポンポンされる。
こんな面倒くさいあたしに付き合ってくれて、こんなちっぽけなことで一緒に喜んでくれて、あたしは本当に先生に感謝した。
「先生!ありがとうっ!」
「……っお前、それ反則」
「へ?」
「…ちょっと待ってて。あ、もし何かあったら呼べよ」
そう言って先生はそそくさとプールから上がって行ってしまった。

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