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先生の秘密

第5章 ◎三角関係

今日こそ、返さなきゃ。
お昼休み、あたしは持ってきた紙袋と傘とにらめっこ。
最近、奈々は上野くんのところへ行くのが多くなって、あたしはお昼休み1人でいることが多くなった。
あたしは意を決して立ち上がる。
紙袋と傘を手に持って、教室から出た。
階段を降りていると、下の方にいる男子たちの会話が聞こえてきた。
「最近、和樹さ~」
─ピクッ
あたしは階段で立ち止まって、よくないけど盗み聞きをしてしまう。
「あぁ、和樹なぁ。何かあんま笑わないよな。元々わりとクールな奴だけど」
「俺も思ってた。ずっと物思いにふけってるってゆうか。遠くを見つめてるみたいな…?」
「そういや最近、心ちゃんと一緒にいねーよな。」
「確かに。ここ、ここってうるさかったのに。それが原因じゃねーの?」
「あいつ心ちゃんのこと超大事だもんな。俺らが狙おうかなとか言っただけで怒ってたもん」
「じゃあ今チャンスじゃね?俺やっぱモロ好みだもん。」
「だよな~あれはまじ可愛いよな~」
あたしは胸が苦しくなった。
和樹…仮にもあたしのせいだとすれば、あたしはどうすればいい…?

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