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先生の秘密

第5章 ◎三角関係

その足音はあたしの後ろで止まった。
あたしは怖くて後ろを振り向けない。
─ふわっ
突然、大きなタオルが頭からかけられる。
温かくて、洗剤のいい臭い。
それと一緒にあたしの横に置かれたビニール傘。
その人は、何も言わずにジャリ、ジャリとまた音を立てて去っていった。
あたしは顔を上げてその人の後ろ姿を目で追う。
胸が潰れる思いがした。
ごめんなさい…。
ありがとう。

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