
妖魔の憂鬱
第6章 置いてかないで!
「そんなぁ!
このままじゃ社は消えるの!?僕には、どうする事も出来ないの?」
不安な気持ちを隠そうともせず、黒羽(くれは)は火月夜(かぐや)に掴み掛かった。
長(おさ)からの依頼は新しく生まれた淫魔、社(やしろ)の存在意義を火月夜が調査して見極める事。
力有る者が無知で有る事、それは存在するだけで罪。教育しても見込みがなければ…又、害を成すようなら消しても構わないと言い渡されている。
火月夜にとって…このまま社が消えても、何の害も無い。むしろ調査や教育の手間も省けるし、助ける義理もないのだ。
だが、余りにも必死な黒羽の反応に、火月夜は迷っていた。簡単に握り潰せて仕舞いそうな小さな手で…自分にしがみ付いて来る黒羽が、火月夜の心を揺さぶった。
「まぁまて…
方法が無い訳では無い」
火月夜は、渋々語りだした。
その方法とは…
社が弱る原因を絶てば良いのである。つまり、壱星と優月が生み出した母胎樹を、2体の子諸とも燃やしてしまえば良いと言う話だった。只斬り倒してしまうだけでは、半妖が誕生してしまう可能性が有る。
「ここは一つ
中途半端な情を棄ててかかるのが、得策で有る」
火月夜のその声は、まるで自分を奮い起たせている様だった。
このままじゃ社は消えるの!?僕には、どうする事も出来ないの?」
不安な気持ちを隠そうともせず、黒羽(くれは)は火月夜(かぐや)に掴み掛かった。
長(おさ)からの依頼は新しく生まれた淫魔、社(やしろ)の存在意義を火月夜が調査して見極める事。
力有る者が無知で有る事、それは存在するだけで罪。教育しても見込みがなければ…又、害を成すようなら消しても構わないと言い渡されている。
火月夜にとって…このまま社が消えても、何の害も無い。むしろ調査や教育の手間も省けるし、助ける義理もないのだ。
だが、余りにも必死な黒羽の反応に、火月夜は迷っていた。簡単に握り潰せて仕舞いそうな小さな手で…自分にしがみ付いて来る黒羽が、火月夜の心を揺さぶった。
「まぁまて…
方法が無い訳では無い」
火月夜は、渋々語りだした。
その方法とは…
社が弱る原因を絶てば良いのである。つまり、壱星と優月が生み出した母胎樹を、2体の子諸とも燃やしてしまえば良いと言う話だった。只斬り倒してしまうだけでは、半妖が誕生してしまう可能性が有る。
「ここは一つ
中途半端な情を棄ててかかるのが、得策で有る」
火月夜のその声は、まるで自分を奮い起たせている様だった。
