
妖魔の憂鬱
第4章 朝田 章市(あさだ しょういち)
丘の上の古城では、人間の目には見えない者達の宴が繰り広げられていた。その為、生命を持たぬ物達にまで輝きが宿り、きらびやかに着飾った様にも…踊っている訳でも無いのに、どこか気取った様にも見えた。
そこは人間が作った、どのテーマパークよりもファンタスティックな空気に満ち、人間が足を踏み入れると途端に心が洗われて、何も知らない子供に戻った様な、純粋無垢な笑顔になる。
子供に戻ると言う事は…同時に、いつもは大人として、理性で抑えている欲望が簡単に露呈すると言う事だ。
受付を済ませた2人を、壱星が更衣室に案内する。いつもは大人しい順子だが只続くだけの廊下でも、キラキラと目を輝かせて、はしゃいで見せた。
「素敵なところね」
更衣室にはスタッフとして、優月が待ち構えていた。
「何か有りましたら私、若しくは此方のスタッフに、お申し付け下さい」
「朝田様、お待ち致しておりました。こちらでお召し替えをお願いします」
広いフロアに所狭しと並べられた衣装は、世界中の正装を集めたと言っても過言ではない程の品揃えだ。ドレスやタキシード、和装やチャイナドレスにチャンパオなども用意されていた。少しではあるが、ピエロの様な楽し気な仮装まで有る。
「わぁ~っ!」
扉が開かれると、全開するのが早いか…歓声をあげて一目散に駆け寄る程テンションが上がったのは、順子のみではなかった。章市も無邪気にはしゃぎ回り、いつしか夢中に成った二人は、お互いの所在を気にしなくなっていった。
そこは人間が作った、どのテーマパークよりもファンタスティックな空気に満ち、人間が足を踏み入れると途端に心が洗われて、何も知らない子供に戻った様な、純粋無垢な笑顔になる。
子供に戻ると言う事は…同時に、いつもは大人として、理性で抑えている欲望が簡単に露呈すると言う事だ。
受付を済ませた2人を、壱星が更衣室に案内する。いつもは大人しい順子だが只続くだけの廊下でも、キラキラと目を輝かせて、はしゃいで見せた。
「素敵なところね」
更衣室にはスタッフとして、優月が待ち構えていた。
「何か有りましたら私、若しくは此方のスタッフに、お申し付け下さい」
「朝田様、お待ち致しておりました。こちらでお召し替えをお願いします」
広いフロアに所狭しと並べられた衣装は、世界中の正装を集めたと言っても過言ではない程の品揃えだ。ドレスやタキシード、和装やチャイナドレスにチャンパオなども用意されていた。少しではあるが、ピエロの様な楽し気な仮装まで有る。
「わぁ~っ!」
扉が開かれると、全開するのが早いか…歓声をあげて一目散に駆け寄る程テンションが上がったのは、順子のみではなかった。章市も無邪気にはしゃぎ回り、いつしか夢中に成った二人は、お互いの所在を気にしなくなっていった。
