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Our Destination

第5章 期せずして訪れた、ふたりきりの時

少し気持ちを落ち着かせ、小林くんに声をかける
「小林くん、本当にごめんなさい。みんなにも申し訳ないことをしちゃったよね…」
「なんで謝るの?謝ることじゃないし、みんなも望月さんが怒った気持ちは理解してるって言ってたよ。」
「だとしても、今日は小林くんが話を聞いて受けとめる日だったのに…そのために愛花ちゃんもすべて話してくれて、真希や高橋くんや恵理ちゃんも時間作ってきてくれたのに…」
「俺は嬉しかったよ…ホントに。」
「えっ…?嬉しかった…?どうして…?」
「俺はもう怒りもでなくて、バカさ加減にうんざりしてしまってたし、みんなも気を使ってくれたのか何も言わなかったけど、望月さんは思ったことをすべて言ってくれた。俺が言えなかった言葉も言ってくれた。それが嬉しかったんだ…」

小林くんは私の目を見て優しく伝えてくれる
「たとえ、そうだとしても…あれはダメだよ…あんなに大声を上げて周り見えなくなって…」
「そんなことないよ。田丸さんも言ってた、"あそこまで感情を出して怒って気持ちを理解しようとしてくれる人はそうそういない、私もあんな人が周りにいてくれたら良かったのに"って…」
「そんなこと…ないよ…あんな恥ずかしい姿見せて…」
「俺たちのために怒ってくれたんだから恥ずかしい姿なんかじゃないよ…。本当にありがとう…」
小林くんの優しい顔から目を離せなくなっていた

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