
Deep Night《R18版》
第5章 Dog
同じ境遇にいる少女達も居るというのに一回しか会ってないニーナが気になる。
それは男が心底哀れんでいるからだ。
人よりも少しだけ正義感の強い男はニーナを哀れむ事で自分が救わなければと正義を奮い起たせる。
「大仕事だ、気を抜くんじゃないぞ」
「はい!」
上司に背中を叩かれピンッと背筋を伸ばす男に傍らに居た男が「上手く行く」と親指を立てて笑った。
上手く行くといいなと呑気に思っている場合ではなく、確実に成功させなければならないプレッシャーに男は気を引き締めた。
煙草を吸わない男は引き出しに入れていた飴の袋を取り出し、数個ほどポケットに入れた。
「また飴ちゃんかよ」
「先輩も煙草辞めて飴にしませんか?」
「んな甘えのヤダね」
「健康にいいですよ?財布にも優しいし」
「ぜってぇ無理。つーか早く行けよ、経費でセックス出来るなんて羨ましいわ」
「なっ、そんな事ありません!」
「あー羨ましい。どうせしゃぶって貰ったんだろ?今日は突っ込んでこいよ、内緒にしてやる」
ゲラゲラと笑ってからかうと男は煙草を咥えて席を立った。
