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Deep Night《R18版》

第2章 No.217


そんなある日のことだった。
美人だと自他共に認めるネェさんと呼ばれる女にニーナが呼ばれた。

「ニーナ、お願いがあるんだけど」

「なに?」

こっそりと耳打ちしてきたネェさんにニーナは振り返る。壁に背を預けながら片足に肘を乗せて頬杖を付くネェさんはニーナにしか聞こえない声で要件を告げる。

「客と此処出るから、これであの男を刺して来てくれない?」

「痛い思いする?逆らったら痛いされるよ?」

「大丈夫、いっぱい刺せば痛い思いしないから」

人差し指を唇に当ててコッソリ渡してきた銀色の物。ニーナにはそれが何かは分からないが物理的にフォークと同じで刺せばいいってことは分かった。

「危ないからニーナはここ触っちゃダメ。痛いからね」

「うん」

その痛いところを男に刺すのはいいの?と思ったニーナはネェさんがお願いしてきたからやるしかないと頷いた。

逆らうと痛い思いするのはここも同じだった。

機嫌が悪いと叩く先輩に機嫌を損ねないようにしないとならない。

「いつやるの?」

「ニーナが3回寝てからの仕事の日。あの男がいつもの部屋に連れてったらやるんだよ」

「わかった」

いっぱい寝て我慢すれば帳が迎えに来てくれるから嫌なの我慢してやる、と嫌でもネェさんの頼みを聞いたニーナは自分の手の中にある鋭利な刃物を強く握り締めた。

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