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Deep Night《R18版》

第2章 No.217


1ヶ月経ったかどうかは分からないニーナにとっていっぱい寝たら帳が迎えに来ると言ってたことだけを期待して待った。

全然来ないじゃんと待てど暮らせど帳が現れない状況に不服そうに仕事をする。

相変わらず毎日仕事で先輩数人が部屋から消えたが心配なんてものは誰もしなかった。

どこに消えたか分かってる。

消える理由の大体はお腹がおっきくなった人、と理解しているニーナは妊娠して消えた数人の先輩とちゃんと仕事が出来なくなった先輩は処分させられるという末路を知っていた。

定期的に貰う白い粒を飲まなきゃ自分も同じようになると男に教えられていた。

飲んでいてもそうなるときはあるものの、そうなったときは別の場所に連れて行かれるということも承知していた。

ただどうなるかなんて知らない。
それは誰もわからない。
ただ戻って来れない。
それだけだ、という理解だけで後腐れなく突然に起きる別れに寂しさなんてものは感じなかった。

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