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ただ今嫉妬宮発動中!

第2章 嫉妬宮その2~N×J



家に帰り着いたオレらは、自分達の部屋に
行く。
 

ランドセルや荷物を置いたオレは、そこで
ようやく、ホッとした。

先に手を洗いに洗面所に行った、潤が
置いてったさっきの紙袋に目がいった。


それに手を伸ばして、袋ごとぐちゃぐちゃに
してから、ゴミ箱に押し込んだ。


別に、何の罪悪感も感じなかったよ。


今でも、あの後に部屋に入ってきた
潤が、そのゴミ箱に気付いた瞬間の
表情は忘れもしないよ?


だって、生まれて初めてオレと掴み合いの 
ケンカみたいな状況になったしね?


後にも先にも、あんな軽蔑したような
表情の潤はこれが最初で最後だったかも
知れないね?


……好きな子からのプレゼントだったからね。





でもね?




オレは、小さい頃から華奢で、
この頃から既に、力じゃ潤には
敵わなかったからさ。



J「あやまれ!あやまれよ!和っ!!」



怒った潤に、制服の上着を掴まれて
フローリングに身体を抑え付けられた
オレは。


下から、無表情で潤を眺めながら
されるがままになった。
堪えきれない涙が、オレの頬にポタッと
落ちてくる。


オレは。


その涙さえも、綺麗だと思って見ていた。


潤は抵抗もしなければ、謝りもしない
オレに一層、力を入れて抑え付けていた。










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