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ながれぼし

第6章 きみごころ



山田「今度焼き肉奢るから!な?健、頼んだ!」

俺を拝む様にお願いをしてくる。

しつこいな…てか何故にそんなに大野っちと飲みたい?



ん…そういや
大野っち。20歳までは絶対酒は飲まない精神だったな。「酒飲めるようになれば来てくれるか…?」
ついポロリ。

山田「それって20歳になったらってこと?!真面目か!誕生日いつ?!」


「え?あ…とぉ、確か11月2じゅぅ…何日だったかな?」


山田「よし!それだ!11月ないしは12月!大野くんと飲もう!よろしくな!」

「いっ!」

よろしくな!と同時に バンっ!と痛いくらいに肩を叩かれた。

てぇなぁ…

…つか…大野くん大野くん。て…

山田がそんな話を終始大声でワイワイ話すから、回りもそんな雰囲気になってて、俺はしぶしぶ、仕方なく頷くしかなかった。




.


あぁぁぁあぁぁ……


帰り道。
結局、ちずちゃんは誘えず終い。

なのに変な使命任されちゃったし…ついてない。
激烈にめんど。


俺は、あーぁ。と空を見上げた。



櫻ちゃんと大野っち…と俺。
そりゃぁここ最近大学では、3人で居ることが多い。


けどさぁ
だからって友達って言われてもね?

別にあの2人は、友達じゃない。
ただの知り合い。

そう。友達なんかじゃないんだよ。



……


櫻「あれ?タケ?」


「っ…」

俺の耳に入ってきた声。
上げていた顔を下ろせば「…櫻ちゃん。」だ。


櫻「やっぱり。つーか上向いて歩いてたら危ねーじゃん。」
と、こんな時間にも関わらず爽やかに笑う。



「…格好良くていいね…」


櫻「ん?」


「ううん。こんな時間に何してんの?デート帰り?」
俺は笑って返す。

櫻「ちげーよ。バイトよバイト。」


「…こんな時間まで?何の?」

ふぅん…バイトもしてんのか。知らんかった。

櫻「ん?ま、バイトっつーか正確には手伝いだけど。○○社に知り合いがいてさ、手伝いしながら経営とか運営について勉強させてもらってる。」


「は?!なにそれ?なんで??」


櫻「なんでって…のちのちのため?
俺、将来ちょっとだけ偉い人になるもんで。」


「はぁ?頭大丈夫?」


櫻「っぶはっ!頭って!あははは!」



何がうけたのか。
その大野っちに負けない そのいい顔を崩して爆笑し始めた。

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