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雪に咲く花

第22章 本物の悪魔

「そういえば……」
黒沢が、何かを思い出したように呟く。
「子供の頃、光多は死んだ叔母さんの写真を大切に持ってたんです。母にないがしろにされてたせいもあって、叔母さんが生きていたら僕達を可愛いがってくれたのにって言ってて……」
「杉山君が?……」
「はい、僕は叔母に何の思い入れもなかったけど、光多の叔母さんを慕う気持ちは半端なかったんです」
やはり杉山光多が、自分を恨んで仕組んだことなのだろうか?
そういえば、颯人から、杉山光多と雪斗が会う約束をしていると聞いたのだが……。
亘は、雪斗に連絡をとろうと、スマートホンを取り出した。

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