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WーWING

第4章 互いに結ぶ?

 7秒あたりで、笑いが込み上げてくる。


「アハハハ、ダメだ、笑っちゃうよ」


「うん、それも有りだ。照れて思わず笑っちゃった。つまり、照れ笑いも必要だ」


「それ、女子によくあるやつだよね。て、ことは、僕が女役?」


「その区別はしていない。あくまで男と男。あくまでフリだからな」


「つまり演技力で、女子の注目を受けるってことね」


「そうだっ! WーWINGは、俺達だけの劇団なんだよ。台本も舞台も無い芝居を見せてやるんだよ」


 隼斗の心に、ジワっと温もりのある風が吹き込んだ。


 優雅の計画は濃い。おそらく何も考えず、思い付いたことを適当に言っているだけだろう。


 だが、それはそれなりに説得力がある……ように感じた。


 今日の昼休み、校舎裏で稽古を始めることにした。


 間の休み時間に、優雅がこれからの行程を、事細かく考えてくると言う。


 隼斗は不安であり楽しみだった。

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