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WーWING

第3章 俺達、WーWING

 ふと、隣の席に目を移す。


 一人の女子生徒と一人の男子生徒が、向かい合ってドリンクとポテトフライを食べている。


 時折、互いのドリンクを交換しあって飲んでいる。


 しかも、ストローはそのままだ。


 そのやり取りを見て、優雅が問う。


「相羽……間接キスはあるか?」


 隼斗は目を閉じて頭を横に振る。


「妹が飲みつくしたジュースの缶の口を舐めた」


「俺も姉貴の、吸ったタバコをねぶった」


 手が届く異性が、お互い血続きの人間だったことに、しばし項垂れた。


「ちなみに俺、姉貴の穿いたパンツ舐めたことあるぞ。お前は?」と優雅。


「もちろん、妹のパンツの汚れの味は知っている」


 二人は熱い握手をかわした。


「相羽……俺はさぁ、変態行為なんて、したくないんだよ。彼女って存在が出来ないから、欲求を身内の香りで満たしてるだけなんだよ」


「僕も同じだよ」


 二人はさらに熱い握手をかわした。


「二人で頑張ってさぁ、協力して彼女つくらねえか?」と優雅が言った。


「えっ!? でも、僕達、三年だよ。受験だよ。そんなことしてる場合じゃないよ」


「心の支えがほしくないか? 周りの同級生が受験の合間にもイチャイチャしてんのに、悔しくないか?」

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