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僕ら× 1st.

第22章 遭難 --Shu,Ar

自宅で軽飛行機に乗り換えて飛び立った。

と、大輔からラインが入る。
花野ちゃんの連絡先…。

俺はその数字のリンクをタップした。

コール音がすぐに途切れて繋がる。

「はい」

誰だろう?

「M高3年の吉坂侑生と申します。和波さんはご在宅でしょうか?」

「和波は、外出中です。今、火急の時なので、悪いけど明日にでもかけ直してくれる?」

和波さんじゃない。
でも、次男は留学中だし…誰だろう?

火急の時…。
学校から連絡は入ってるんだな?

「花野さんが遭難されたと伺いました。和波さんは現場に向かっておられるのですね?」

「ああ、それで心配してくれたの。レスキュー出てるから、見つかると思うけど。そんなに無茶するコでもないし。じゃ、急ぐので切るね」

「あ、ありがとうございます、失礼します」

……今の、執事?
ま、いいや。

何はともあれ和波さんが向かっているなら、あっちで出会えるだろう。

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