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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

花野ちゃん、今日も図書館に行くのかな?
あの男と会うのかな……?

あれ?
駅の方に動いてるな…。

「おい、柊。出掛けるぞ」

彩華さんへの訪問が終わって帰って来た柊をつかまえ、クルマに乗り込む。

偶然を装って会おうと俺は目論んでいた。
奇遇が重なれば、彼女も俺に運命を感じてくれるかもって。

電車に乗って、さぁどこへ行くのかな?
今日の私服は何色かな?ひらひらスカートかな?
ノースリーブとか、ないかな?

俺の期待を乗せて、柊の運転するクルマは同じ方向に進む。
信号待ちがもどかしいながらも、各駅停車のその点に追いついてきた。

と、ある駅で移動速度が弱まる。
降りたな……。

そこからどこへ?
まわりにスーパーや遊戯施設はあるけど、あえてそこ?

その点はあり得ない方向に進む。
地元民なら絶対に近づかない地域…。

「ヤバい、入った!」

見失ったら絶対に取り返しのつかねぇことになる!
その方面から見えないようにクルマを停め、俺と柊は駆け出した。

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