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僕ら× 1st.

第13章 ク"ニコ"ム --Shu

「抱いてほしいな」

と、起き上がった彼女に服の裾をつっとつかまれ、俺の紳士が揺らぐ。

「酔っぱらいと寝たくねぇ」

「私のこと、好きなくせに?」

「あぁ?好きじゃねぇよ」

好きだからこそ、あんたと一晩限りの恋人なんてゴメンだ。
これからも顔を合わせるのに、都合よく使い捨てられては身がもたねぇ。

「私は好きだな。柊君がほしい」

俺の腰に手を回し、軽く抱きついてくる。
そうやって男を取り込んで手先にしたのか?
可愛らしいその表情も計算だろ?

「……酩酊してないときに聞きたいね。俺、もっかい水持ってきてやるよ」

彼女から視線を外し、遠いドアに意識をくっつける。

「もう醒めたわよ。行かないで。ね、寂しいの」

寂しけりゃ誰でも誘うのか?
俺、年下の中坊だぜ?

「……じゃ、話でも」

彼女に背を向けてベッドに腰かけた。

恋人たちの最も重要といえる日に酒に浸ってる理由を、聞かせてもらおうじゃねぇか。

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