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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

「何だ。童貞卒業パーティしてやろうと思ってたのに」

柊兄は、クラッカーをカウンターに並べだす。
何だその特大は…。
耳、いわすよ。

「余計なことしなくていいから」

「ホント大切にしてるんだな。ムラッとこない?」

「……ふぅ、彼女にその気はないから」

だって、つきあっているふりなんだから。

「当たり前だろ?処女が誘うかよ」

「俺ね、実はキスもまだ」

と今まで静止していたアル兄が、かったるそうに僕に目をやる。

「お前、写真撮られてたじゃねぇか」

「あれはフェイクだよ。彼女ったら、ほっとくと男が寄ってくるからね」

「ふっ、男避けかよ。俺、いつ伯父さんになってやってもいいぜ?」

強がる兄貴もカッコいいよ。
けど、"伯父さん"って呼ばれたら、怒りそうなんだけど…。

「そんなの、10年以上先だよ」

もし本当につきあっているとしても、大学進学希望の彼女にそんなことはできない。
僕も資格を取って養えるようになるまでは、甘えるわけにいかない。

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