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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

"オムツ"と言われて赤面した伊織が、ぶつぶつと言う。

「タディ。それ、恥ずかしい」

"タディ"?
彼女兄:和波さんの名前を崩した愛称か?

じゃあ、"ハニィ"ってのも花野ちゃんの愛称…。
伊織は"リル"だし。

いいな、そういうの……。

「じゃあ、リィも呼びだされるようなことするな」

"リィ"?
いろいろ呼びかたがあるんだ……成程。

俺はどう変化するんだろ?
侑生(ユウ)……。

どうにもならなくね?
と、詰まっていると話題を振られた。

「吉坂に聞いても仕方ないかも知れないけど……どう思う?」

"仕方ない"って何だよ?
俺は永井、お前よりちゃんと考えてるぞ?

「それで世界が広がるならいんじゃね?俺は妹ができたら嬉しいし、早い遅いは問題じゃない。先生が危惧してるメデタイことが起こってもかまわない。俺らで守るよ。

それに俺の弟が、惚れた女のコを不幸にするわけない。俺はこいつを心底信じてるし、こいつには自分の信じる道を進んでほしい。こんなことで騒ぐなんて狂気」

うつむく彼女を視界に入れながら、早く終わらせようと話しきる。

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