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僕ら× 1st.

第1章 初期状態 --Ior,Shu

***

「じゃ、行ってくる」

夕飯をそこそこに終えた俺は、片付けと身仕度をして2人に声をかける。
俺のせわしなさを気にかけず食事を続けていた従兄弟、アルと伊織が顔をあげる。

「今夜は何人?」

両手第1~3手指を開いて見せると、「これから?」と驚いて壁にかかった時計を見る。

「1人のち乱パ」

「あは、天気予報みたいだね」

「イオも混ぜてもらえば?」

エビフライの尻尾を口から出しながら、アルがモゴモゴ喋る。

「それは僕のセリフ。彼女ナシ歴=年齢だろ?」

アルに比べると一応は行儀のいい伊織は、きちんと箸を休めて反論する。

「んだよ?チェリーはてめぇもだろ?
あ、まだ毛も生えてねぇか?
もしかして、まだ蒙古斑ある?ケツ見せてみろ?」

「ガキ扱いするな!2年しか違わないだろ!」

「あるんだなっ」

「うるせーっ!ごはん粒飛ばすなっ!」

食事中の口を開けて思いっきり笑うアルは、伊織に睨まれるもまったく気にしていない様子。
これは、テーブルマナー再教育されたほうがいいかもな…と、俺だって思ってしまった。

てゆうか俺、これから出掛けるって言ったよな?

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