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三角関係ときどき四角

第2章 夫と娘の秘密

いつも書斎を訪れる舞彩は
僕が何も言わなくても
クローゼットを開け
高校の制服を取り出し着替えると
長い髪の毛を束ねポニーテールにする。


あの頃の千夏になってくれる。


しかし今夜の舞彩は
書斎の扉を背にして
そこから一歩も動かずにいた。


「先生とは……もう……終わりにしたい」


もしかして……


舞彩は知ってしまったのか?


僕との血の繋がりを。

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