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三角関係ときどき四角

第2章 夫と娘の秘密

僕は一切無駄口を叩かない。


「先生。話があるの」


こうして何の前触れも無く
深夜の時間帯に舞彩が僕の書斎を訪れても
歓喜もしなければ驚きもしない。


誰と何処で何をしていようが
僕には興味がない。


舞彩の中に潜んでいる
18歳の千夏を見出だし
あの頃のように互いを求め
愛し合えさえ出来れば。


約20年前の僕と千夏との関係は
忌まわしいどころか
僕の中で洗浄され美化されていた。

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