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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第13章 ~殉職という名の幕下ろし~

◇道中◇

「俺の愛する息子と妻を殺した復讐を、お前の母親にもするつもりだったが、死んでしまったのは仕方ない」

「水無月…いや、今は文月か
僧衣(そうい)と母さんの仇を、お前で取らしてもらう」

死んだいじめっ子の僧衣の双子の弟、猛威(もうい)は僕の腕を掴もうとする。

僕は、咄嗟にこの場から駆け出す。

「逃がすかよ!」

しかし、すぐに猛威に捕まってしまう。

「ッ…離して!」

「おら、来いよ」

「恨むならよ、お前の父親を恨むんだな!」

車の中から、猛威の父親が叫ぶ。

「離せッ!」

どうしよう…。

俊樹君達との事で、晴希さんと始さんに連絡するのを忘れてた…。

「いい加減、諦めろよ!」

僕の腕を掴んだまま、ゆっくりと着実に引っ張る猛威。

「めーん!」

「ぐぁッ!?」

突然、猛威が頭を抑えながら呻く。

「隼!」

「兄さん、大丈夫!?」

竹刀を構えた隼が、後ろから猛威の頭に竹刀を叩き込んだみたいだ。

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