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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第10章 ~不穏な前兆の幕開け~

『犯人は、複数人でたまたまホテルのチェックアウトをしていた、1組の夫婦を殺害、他にも重軽傷者が何人も―――――』

「兄さん…。」

隼が、不安そうな表情で僕の服の裾を掴む。

「殺害された1組の夫婦って、父さんと義母さんの事じゃないよね…?」

「そんなわけないよ
どうせ、違う夫婦だよ」

不安がる隼に言い聞かせるが、内心では僕も隼と同じく不安だった。

もし、殺害された1組の夫婦がお母さんとお義父さんだったら…?

「そうだよね…。
違う夫婦だよね…。」

「きっと、そうだよ」

殺害された1組の夫婦が2人じゃない事を、祈らざるおえなかった…。

『なお、殺害された1組の夫婦の身元ですが』

「「……。」」

僕と隼は、ニュースに釘付けだった。

『○○府の○○市に住む、文月渉さんと文月優里さんです』

「ッ……そんな…。」

「父さん、義母さんッ…。」

僕と隼の願いは、脆くも崩れ去った…。

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