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月明かりの追憶

第5章 迷走する恋

それから―



横「よし、じゃあ帰るか」

玉「そうだね、フッ」

二「おう」



俺の腕の中で、眠っている北山。



横「太輔、タクシー来たよ」

藤「Thank you わた」

二「ガヤ、ミツのこと宜しくね」

藤「ニカおまえ」

二「俺、ミツが幸せなら、それで充分だから」

藤「そっ、フッ」

二「でも泣かせたりしたらガヤでも許さないからな」

藤「分かっているって」

二「ならよしっと、ニコッ」



ありがと、ニカ。

しかし、あれは一体なんだったんだろう?いきなりキスをねだるだなんて。

まっ、起きたらきっと忘れたとか言うんだろうけどさ。

案の定、翌朝に目を覚ました北山は俺の言葉に。



北「覚えてね」

藤「ずるいぞ北山」

北「覚えてないものは覚えてないんだもん」

藤「なんだそれ?じゃなに俺だけハズい思いをしたってこと」

北「さぁ俺、しーらねっと」



ふっ、だけどその眼は落ち着きなくチラチラと辺りを見渡し。

まったく、素直じゃないんだから。



藤「お腹、空いてない?」

北「すいた」

藤「じゃ何か作るよ」

北「マジで?やったぁー んふふっ」

藤「ふっ」



今日は、二人でまったりと過ごそ体力が消耗しているだろうしさ。

それから、これからの事を考えればいい。

北山が元気になってからで、俺は一向に構わないから。

だってもう、お前の気持ちは分かっているし不安になることはない。

俺達の未来は、これからも共に続いて行くんだと確信できる。

なら焦らずに行こう、そう思っていた。

その笑顔を見つめながら―




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