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僕のまーくん。

第38章 綾野くん





なんで……って……



あの素敵な太陽の神様に、初めて出会った
日を何度も頭の中で、リプレイしていた
あの景色を瞬時に思い出した。



何度思い出しても、キュンとときめいて
しまう、あのシーン。


相葉先輩……


あなたの特別な人みたいな二宮くんに
勇気を振り絞って……話しますね?




綾「……入学してしばらくして、購買部で昼ご飯……
 パンをどうしても買えなくて……
 混雑してる中……
 先輩が、はいってあの笑顔で渡してくれて……
 …………忘れられなくなって……また、会える
 かもって、毎日通ううちに、名前覚えて……」




ポツリ、ポツリ……
あの日の相葉先輩の眩しいくらいの
笑顔を思い出しながら
二宮くんに一生懸命伝えた。




綾「……で、どんどん……相葉先輩を……見るたび
 気になっていって……でも、隣には行きも帰り
 も必ずといっていいほど……あなたがいて……」



そう。
目の前のその綺麗な潤んだ薄茶色の目を
こちらに向けているそこのあなた。


二宮くん、あなたがいつも相葉先輩の隣に
いたから。



相葉先輩の恋人なのかもなって思ったりして。



N「…………」




「聞いてますか?」




N「あ、あー、うん……」


俺の言葉にちょっと弾かれたような
二宮くん。



N「……で、まだつけるの?」



……俺は。



「いつか……直接あの人と話がしたいって
 思ってました。でも、なかなか話すきっかけ
 もなくて……ずっとつけてましたけど……
 …………だから!
 二宮くんが紹介してくれるなら、もう
 つけたりはしませんっ!」



こんな風に人に向かって、自分の想いを話をしたのは生まれて初めてだった。


それから、こんな無茶苦茶な頼みを
押し付けるような頼みかたをしたのも……


もちろん初めてです。

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