
僕のまーくん。
第38章 綾野くん
それからは、「太陽の神様」を探す事が
俺の日課になった。
そして、それが毎日の楽しみになって。
学校へ行く事が、楽しみで仕方なかった。
こんな事は、俺の今までの人生で初めての経験で。
まずは、自分のクラスの連中をチェックした。
女子達が騒ぐくらいのイケメンがいたが、
違う。
「太陽の神様」は、あんな濃い顔はしていなかった。
だとすると、違うクラス?
毎日チェックした。
でも、多分いない。
あの時、あんなにスマートに購買部で
買い物していた様子からすれば、
やっぱり先輩?
全体朝会の時は、特に周りをキョロキョロ
見回した。
ただ、余りにも多い人の中から、
全く知らない人を探し出すのは至難の技だった。
購買部にも何度も行ってみた。
でもなかなか、「太陽の神様」を見つける
事が出来ないまま、テスト期間に入った。
帰り道。
学校の校門から出て、沢山の生徒達がいる中で。
あの日の後ろ姿によく似た、姿を見つけた。
!?
いたっ!!!
みつけた!!
「太陽の神様」だ!
間違いない。
少し離れてるけど、横顔は間違いなかった。
あの日の俺に向けられた、あの綺麗な笑顔が
そこにあった。
隣の、少し背の低い可愛らしい男子と話ながら
帰ってる「太陽の神様」。
あの日の俺に向けられた、眩しい笑顔は
その隣を歩いている男子に、溢れるくらいに今向けられていた。
