
僕のまーくん。
第37章 かずくんがヤバい!?
ポロン♪
また静かな音楽室に響くピアノの音。
「冗談ですよ」
そう言ってる綾野くんをただじっと見てる事しか
出来ない僕。
だって……
だって、この人さ。
そう言いながら、フッと一瞬だけ
口角が上がったのが見えたのよ。
それから、その目で見られたらなんだか
逸らす事が出来なくて……
座ってる綾野くんは、僕を逆に見上げる感じで
また、無表情のまま見つめてて。
指だけが、ピアノの鍵盤をなでる。
ポロン♪
ポローン♪
と一つの音が響いている。
N「……冗談って?」
やっとそれだけ言えた僕。
綾野くんは、
「知りませんよ」
って一言だけまた、呟いた。
…………。
