
僕のまーくん。
第37章 かずくんがヤバい!?
まーくんと靴箱で別れたあと、長い廊下を
自分のクラスに向かって歩き出した僕。
たくさんの生徒が賑やかに行き交う廊下を
歩いていると、ふとその先に見覚えのある
高身長のシルエットが目に入ってきた。
あっ!
綾野くん……
長い前髪で隠れた目が見えないけど
まだ、こっちには気付いてないっぽい。
さっきまで、この人に今日聞かなきゃって
散々考えていたせいか、姿を確認してから
急にドキドキしてきた。
こっちにスタスタと歩いてくる綾野くん。
僕も教室に向かってるわけだから
こっち行くしかないんだけど。
間には、生徒達が数名いるし、
歩いて来るのが見え隠れしてるから
多分、見てないかも。
5メートルくらい先まで来た綾野くん。
俯いているせいか、多分まだ気付いてない。
僕も少し下を向いて歩く。
変な緊張が自分の中だけで走った。
………………。
ふぅー。
良かったぁ
何が良かったのか分からないけど。
聞かなきゃって言っても、いきなり
こんな朝早くから、急にはさ。
まだ、心の準備が全然出来てなかったから。
とりあえず、まだ気付かれなくて良かった。
僕は歩きながら、何気なくすれ違った後ろを
振り返ってみた。
えっ!?
…………
僕の目に入ってきたのは。
その廊下のずっと先に、立ち止まって
こっちを見ている綾野くん。
がっつり目が合って。
僕も振り返ったまんま、そのまま
思わず立ち止まってしまった。
