
僕のまーくん。
第34章 本当に誰なの?
自分の教室に着いて、おはようって
目が合ったクラスメートとは
挨拶だけ交わしながら
僕は後ろの席目指す。
今日は、後ろの方に4~5人程女子が
たむろっていたせいもあって、
僕はいつもと違う前の扉から入った。
だから、いつもより多めに「おはよう」
を言って自分の席まで行ったんだ。
窓際の一番後ろの席まで、行く途中
綾野くんの姿が目に入った。
俯きながら小説?らしき本を
読んでいた彼に、通り過ぎる前に
一瞬迷って声をかけた。
N「おはよう」
僕の挨拶に、綾野くんはちょっと
びっくりした顔で、本から目線を外して
こっちを見た。
綾「……おはよう」
長い前髪の隙間から、机の前に立つ
僕を、上目遣いで見る綾野くんの
目からは、表情が読めない。
それに、何故かすぐに逸らされた。
N「えっとぉ……」
僕も元々、あまり喋った事ない人に
ペラペラ話し掛けたりはしないからさ。
なんて切り出したらいいか分かんなかった
んだけど……
潤くんが、綾野くんがこの前保健室行ったって
LINEでいってたのが、やっぱり
気になって。
何気なく聞いてみようって
思ったんだけど……
ちょっと。
やっぱり、苦手……かな。
人を寄せ付けないオーラ出まくりですね。
綾「なに?」
次の言葉が出ない僕に綾野くんは、
又少し上目遣いで
綾「……もう、風邪大丈夫なんですか?」
ボソボソと話す、その言葉に一瞬
N「……えっ?」
って聞き返してしまい、
あっ!と又我に返りその言葉の意味を
理解した僕は
N「あ、あぁ……うん!大丈夫。ありがとう!」
思いがけない綾野くんからの一言に
僕も笑顔で、返した。
綾野くんは、又一瞬、僕をその長い前髪の
隙間からじっと見て、すぐに目を逸らして
綾「……なら良かったですね」
って言って又、本に戻った。
N「あの……さ、怪我したんでしょ?
だ、大丈夫だった?」
いきなり、僕も聞いてしまって
あちゃ~良かったかな?
って思ったんだけど……
綾「……あぁ、うん……大丈夫ですけど……」
……不審がられてる?
ちゃんと会話するの、初めてだもんね。
N「……保健室で僕寝てたけど、全然
気付かなくて……先生いなかったでしょ?
治療出来たのかなって…」
それだけ一気に話した。
