
僕のまーくん。
第32章 ライバル出現!?
教室に入ると
みんな、仲のいいグループが固まって
男子も女子もワイワイ騒いでいた。
「松本くんっ♡おはよう。久しぶりぃ」
1人の女子が潤くんにだけ声をかける。
長い髪の毛を指でクルクルしながら、
ちょっと小首を傾げたポーズで。
しかも、声は超、甘いトーンで……
あなた、見え見えだね。
潤くん狙ってるの。
でも、残念ですね。
潤くんには、もうすでに
ラブラブな恋人がいるんですよ~
大きな声じゃ、言えないけどね?
……ってか、誰だっけ?
名前……。
……………………。
僕は、クラスに潤くんがいるから
ようやく馴染んだって感じの1学期で……
クラスの奴等に余りにも興味がなさすぎて、
今だに名前と顔が分からないままだ。
夏休み挟んで、益々分からなくなったかも。
僕が興味あるのは、まーくんだけだし。
その、まーくんは2階の教室にいるから
会いたくても、すぐには会えないしなぁ。
やっぱ、夏休み終わったのは残念すぎる。
仏頂面の僕とは正反対の潤くんは、
喋りかけてきた女子とまだ後ろで話してる。
僕は、潤くんの前の席だから話してる内容は
別に聞いてる訳じゃないけど、
全部耳に入ってくる。
「ねぇ、松本くん♡夏休みどっか行ったぁ?」
女子が潤くんに聞いてる。
J「あ?あ~海行ったよ」
……潤くんの言ってる海って。
あの日、みんなで行った海の事だろうね。
「え~いいなぁ~私らも誘って欲しかったなぁ♡」
キャピキャピしながら、女子が潤くんに
言ってるのが聞こえた。
僕は、教科書を鞄から取り出しながら机の中に
しまっていたら、潤くんが急に
J「なぁ♪楽しかったよなぁ~ニノ♡」
って後ろから振ってきたもんだから、
僕も振り返って、
N「うん!思い出いっぱい作ったよね!」
ってニッコリ笑って返した。
僕が名前も知らない、明らかに潤くん狙いの
女子がちょっと、目を大きく見開いて
びっくりした顔で
「二宮くんと松本くん夏休み遊ぶくらい
仲いいんだぁ……」
って言ってた
J「そうだよ。ダブルデートもしたしなぁ~
ニノ♡」
えっ!?
それは、言ったらヤバくない?
途端に、女子の顔色がサァっと強張るのが
分かった。
「え……何それ……松本くん彼女いたんだ」
