Hello
第61章 CAT with *バンビズ
黒のシャツからみえるうなじが真っ白でくらくらする。
「その服……サイズでかくね?」
「うーん……そうかもね?」
楽だもん、と、潤は微笑んだ。
男らしいといえば男らしいこいつは、俺の前でだけはびっくりするほど可愛い。
「ね……みて、これ」
たまにツボにはいったらしき動画をこっちに見せてくる。
一緒にくすくすと笑いあい、またそれぞれの時間にもどる。
メディア用ではないその笑顔がとても素直だ。
この二人だけの空気がとてもいとおしい。
…俺の欲求で…これを壊したくないしなぁ……
やっぱやめとこうかな、と考えてると、潤が、そうだ、と自分のトートバッグを引き寄せた。
「翔くん、焼酎のむ?」
「え?」
潤は、トートバッグから、少し小ぶりな瓶を取り出す。
真っ黒いそれは、いかにも高級そうだ。
「相葉くんがくれた。めったに手に入らないやつなんだけど、翔ちゃん焼酎好きだからあげるって」
「…………」
相葉くんが、俺に焼酎……?
「うわ……アルコール度数えぐ」
瓶を凝視する潤が、苦笑した。
「こんなん飲んだらべろべろになっちゃうじゃん……」
「…………」
俺は、瞬時に相葉くんの意図を理解した。
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