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COLOR’S~殺したのは私~

第38章 碧海VS一茶(AOMI SIDE)⑥

大学院に進むことになり伊勢原市の研究室付近にアパートを借りた。

実家の部屋より更に殺風景で洒落たインテリアの類いは何も置いていない。

この部屋を訪れるのは一茶だけ。

だからベッドだけで充分。

その一茶でさえ週に一度来ればマシな方だ。

一年前、一茶は会社で揉め事を起こし解雇になり、現在は長距離トラックのドライバーとして全国を回っている。

一茶は解雇された詳細を話すことを拒んだが、当然ながら琥珀になりすました私のせいだということは心得ている。

解雇や長距離トラックのドライバーになることは予測していなかったが私的には好都合だった。

哲也に時間を注ぐことが出来る。

哲也は大学を卒業するとIT企業に勤め、一人暮らしを始めた。

私は哲也のアパートに入り浸り半同棲の状態。

片時も離れたくない。

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